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Last Update : 2023/1/15
Since : 2002/8/3
日本で初めてのODAを問う裁判
日本のODA(政府開発援助)によるコトパンジャン・ダム建設で、インドネシア・スマトラ島では23,000人がふるさとを強制的に奪われました。5,396人の現地住民が原状復帰と補償を求め、日本政府・JICA(国際協力機構)・東電設計(=東京電力グループ)を被告として、裁判中です。
日本政府はODAの基本理念を「開かれた国益の増進」としています。「援助」とは名ばかりです。「国益」=グローバル大企業の利益のために、地元住民を犠牲にした「海外版ムダな公共事業」を行い、さらには原発までODAを利用して輸出しようとしているのです。
「国益」のための「援助」、住民泣かせの「援助」はやめさせましょう。ぜひ、裁判にご支援お願いします。
(ダムの呼称について)
インドネシア・スマトラ島の住民・自治体・マスコミは『コトパンジャン(Kotopanjang)』と言います。
一方、日本政府・インドネシア政府は本件ダムを『コタパンジャン(Kotapanjang)』としています。
Kotoは地元ミナンカバウ語、Kotaはジャワ語でいずれも「町」を意味します。現地の言葉・文化を尊重する立場から、私達は『コトパンジャン・ダム』としています。
▲裁判所前での宣伝行動
第2回口頭弁論(6月22日)に証人申請が採用される
■3月2日に東京高裁・101号大法廷で第1回口頭弁論が行われました。
■冒頭、原告弁護団から477ページにわたる控訴理由書の要点として、地裁判決の主な問題点-(1)被害事実について判断を避けたこと、(2)外国に住む外国人には日本政府が国家賠償法上の法的義務を負わないとしたこと、すなわち外国に住む外国人に対して日本政府には何ら注意義務がないとしたこと、(3)東電設計はダム湖への湛水など住民被害に直接的に関与しているにもかかわらずその専門家責任を問うていないこと、が陳述されました。
■青柳馨裁判長(第17民事部)は、原告弁護団からの証人申請に対して、イスワディさんの原告本人尋問を採用しました。裁判長は、(1)移転前の生活状況を知りたい。移転前がどうであったのかわからないと被害があったのかどうか比べれらない (2)どうして現地の人たちが裁判をすることになったのかを知りたい、と証人採用の趣旨を述べました。第2回口頭弁論は、6月22日(金)、14:00〜16:00、101号(大法廷)です。
■原告のアニスさん、専門家証人の村井吉敬教授(早稲田大学)・松野明久教授(大阪大学)の証人申請は残念ながら認められませんでした。なお、村井教授と松野教授からの意見書は裁判所に提出しています。スハルト軍事独裁政権のもと、住民がダム建設に異議を唱えることは、生命を失う危険が伴う状況があったことなどが述べられています。