本文へスキップ

第2回 ODAを問う国際連帯シンポ (2012年7月28日)



「国益」ODAと原発輸出を討議


 全交大会の2日間を使って、昨年に引き続き「第2回ODAを問う国際連帯シンポジウム」を開催した。このシンポの目的は、自衛隊の海外派兵と歩調を合わせ、全てのNGOを巻き込む「オールジャパン」体制で進められようとしている「国益」ODA路線に対して、それと対決する国際連帯行動を作りだすことである。そのため日本のODAにより被害を受け、現在もアジア各国で闘い続けている被害者の代表として、フィリピン・バタンガス国際港の住民組織PCADのテルマ・マナラン代表と同地域全体の住民運動を支援する人権擁護団体BIHRAのアーノルド・エバンヘル執行委員長をパネラーとして招請した。そして、ODAの是非を問う史上初の裁判であるコトパンジャン・ダム裁判については、弁護団の浅野弁護士がパネラーとして参加した。

 また、現在のODAをめぐる最大の課題である原発輸出問題については、インドネシア環境フォーラム(WALHI)バンカ・ブリトゥン州のウダイ執行委員長と、インドの原発反対闘争への連帯を積極的に呼びかけている福永正明岐阜女子大学教授をパネラーとして招請した。

ODA被害者のネットワーク作りを


 1日目はODAをめぐる情勢と運動方針について、実行委員会から基調報告が行われた後、パネラー5人が、準備したパワーポイントによる活動報告を行った。通訳を交えての報告であるため、2時間半の予定時間はあっという間に過ぎ、討議は2日目に持ち越された。
2日目は参加者からの質問を受けた上で、実行委員会が準備した決議案が提案され議論が開始された。論点は次の2点であった。
 
 まず、ODA被害者のネットワーク作りの意義とその具体的な方針について討議が行われた。テルマ氏とアーノルド氏からは、ODAを供与された貧しい国々で引き起こされている人権侵害や環境破壊、汚職・腐敗は全て日本自身の問題であるという認識が必要だという指摘が行われた。これは、ODAに対する関心が低い日本の現状こそが問題であり、あらゆる手段を駆使してアジアのODA被害者たちの声を日本の人々に伝えるべきだという意見である。その要請を受け止め、コトパンジャン・ダム裁判の控訴審闘争をインドネシアとフィリピンの被害者による共同行動として位置づけて取り組んでいくことが確認された。

ODAを使って進められる原発輸出を許さない


 もう一つの論点は「オールジャパン」体制で、ODAを駆使して進められている原発輸出に対してどう闘っていくかということである。福永教授は、この課題を現在高揚している反原発闘争の中に浸透させていくことの重要性を強調したうえで、国会議員の調査権なども駆使し、原発輸出のためのODA、JICA・日本政策銀行融資の実態を具体的に明らかにすることを提案した。この提案は決議案を具体化する方針として、討議確認された。

 そして、インドネシア初の商業用原子炉の建設に反対する闘いの先頭に立つウダイ氏は、帰国後、バンカ島の原発建設に日本(JICA)がどう関わっているのかを調査することを表明した。そして、放射線測定器を持ち帰り、世界の50%を産出する島での錫採掘が、労働者の被ばくと環境汚染を引き起こしていることを明らかにすることで、反対運動を強化していくという決意を表明した。

 以上のように第2回目のシンポジウムでは、コトパンジャン・ダム裁判の勝利を目指すODA被害者の国際共同行動の実現と、ODA全面中止を通じた原発輸出反対・現地闘争への支援強化の決議を採択して終了した。

 シンポ終了後、ウダイ氏は原発が林立する福井県を訪問し、元原発下請け労働者として反原発運動の先頭に立つ斉藤征二氏と交流。実際に原発を見聞する中で、原発建設反対運動を強化する決意を固めて帰国した。

------------------
●シンポジウムフライヤNo.2 (PDF) >>
●「国益」ODA路線、「原発」「武器」輸出へのODA使用に反対し、ODA被害者の国際ネットワークをつくる決議(2012/7/29) >>
●同(英語版) >>

コトパンジャン・ダム
被害者住民を支援する会

〒162-0815
東京都新宿区筑土八幡町2-21-301
www.kotopan.jp,  info@kotopan.jp

 

ボランティアスタッフ募集中です。お気軽にご連絡ください。


Last Update : 2014/1/18
Since     : 2002/8/3 
Access Counter :



日本で初めてのODAを問う裁判

日本のODA(政府開発援助)によるコトパンジャン・ダム建設で、インドネシア・スマトラ島では23,000人がふるさとを強制的に奪われました。5,396人の現地住民が原状復帰と補償を求め、日本政府・JICA(国際協力機構)・東電設計(=東京電力グループ)を被告として、裁判中です。
 日本政府はODAの基本理念を「開かれた国益の増進」としています。「援助」とは名ばかりです。「国益」=グローバル大企業の利益のために、地元住民を犠牲にした「海外版ムダな公共事業」を行い、さらには原発までODAを利用して輸出しようとしているのです。
 「国益」のための「援助」、住民泣かせの「援助」はやめさせましょう。ぜひ、裁判にご支援お願いします。



(ダムの呼称について)

 インドネシア・スマトラ島の住民・自治体・マスコミは『コトパンジャン(Kotopanjang)』と言います。 
 一方、日本政府・インドネシア政府は本件ダムを『コタパンジャン(Kotapanjang)』としています。
 Kotoは地元ミナンカバウ語、Kotaはジャワ語でいずれも「町」を意味します。現地の言葉・文化を尊重する立場から、私達は『コトパンジャン・ダム』としています。