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12月12日「支援する会」総会と新しい運動体の結成会にご参加ください


原発輸出を促進するCSC条約

 11月19日、日本政府が国会提出した「原子力損害の補完的補償に関する条約(CSC)」の承認案と関連法案が成立しました。国会解散・総選挙という慌ただしい状況の下でも承認が強行されました。この意味は、日本や欧米の原発メーカーがメーカー責任を定めているインド原賠法の適用を除外され、賠償責任の免除を確保することであり、一頓挫しているインドへの原発輸出を強力に推し進める態勢を築いたことにあります。そして、原発事故時に賠償責任を事故発生国の原子力事業者にのみ負わせ、安倍政権が進める原発輸出の後押しを狙うものです。
 福島原発事故の収束もできず、汚染水が太平洋へ放出され、10数万人以上の福島県民が避難を余儀なくされている状況をかえりみることなく、原発を海外に輸出することなどあってはなりません。しかし、ほとんどのメディアはこの暴挙を全く無視しました。さらに、反原発運動に取り組む諸団体の多くはこの問題に警鐘を鳴らしていません。

スンダーラム・クマール氏の問いかけ
 1月26日の「インド共和国記念式典」への安倍首相出席を通じて「日印原子力協定」が締結されようとした動きに対し、ユニークな「安倍首相歓迎。日印原子力協定お断り」のポスター運動を全土に広げたスンダーラム・クマール氏(CNDP:核軍縮と平和のための連合)を招請し、大阪での「原発輸出反対!国際連帯シンポジウム」開催をはじめ、東京、広島、福島等でのキャンペーンを展開してきました。インド・モディ首相来日を前にした8月29日、彼は首相官邸前で「日印原子力協定に反対しよう」と訴えました。
 平和・人権問題に取り組む運動団体への弾圧が厳しいインドで反原発運動を続ける彼がよく口にしたのは「では日本の皆さんは何をしますか?」という問いでした。つまり、“未曾有の原発事故を起こした日本で市民運動が原発輸出にどう取り組むのか”とその決意を求めていたのです。
 こうした提起を受けるとともに、ODA大綱見直しの動きが強まる情勢を踏まえて、私たちはODA・公的資金を使った人権侵害と環境破壊を防ぐ新たな運動の展開を追求しようと決意しました。

新しい運動体結成の意味
 私たちは、インドネシア・コトパンジャン・ダムの被害者住民を支援する活動を通じてODAが被援助国の住民のために役に立たないばかりか、甚大な被害をもたらすものであることに確信を持ってきました。
 そして、この数年間、公的資金を使った原発輸出が推進され、軍事的支援やグローバル資本の利益追求のための「国益ODA」路線が強まっていることを批判し、「ODAを問う国際連帯シンポジウム」を開催してきました。
 シンポジウム総括議論を積み重ねなるなかで、次のような方針案をまとめました。それは、「支援する会」は従来通りコトパン裁判の最高裁闘争と住民支援活動を強化する、ODAと原発輸出に反対するとりくみについては新たな運動体によって飛躍的な発展を目ざしていく、両団体は緊密に協力して運動の発展を図るということです。

総会と新運動体結成に参加を
 12月12日(金)に「コトパンジャン・ダム被害者住民を支援する会総会」を開催するとともに「新運動体結成会」(18時、東京都中央区立産業会館、第1集会室)を行います。この場には、再びスンダーラム・クマール氏が出席されます。なお、当日には院内集会と省庁交渉を持ち、「日印原子力協定を締結するな」と申し入れることを計画しています。この行動と「コトパンジャン・ダム被害者住民を支援する会総会」「新運動体結成会」への皆さんのご参加を呼びかけます。

コトパンジャン・ダム
被害者住民を支援する会

〒162-0815
東京都新宿区筑土八幡町2-21-301
www.kotopan.jp,  info@kotopan.jp

 

ボランティアスタッフ募集中です。お気軽にご連絡ください。


Last Update : 2014/4/5
Since     : 2002/8/3




日本で初めてのODAを問う裁判

日本のODA(政府開発援助)によるコトパンジャン・ダム建設で、インドネシア・スマトラ島では23,000人がふるさとを強制的に奪われました。5,396人の現地住民が原状復帰と補償を求め、日本政府・JICA(国際協力機構)・東電設計(=東京電力グループ)を被告として、裁判中です。
 日本政府はODAの基本理念を「開かれた国益の増進」としています。「援助」とは名ばかりです。「国益」=グローバル大企業の利益のために、地元住民を犠牲にした「海外版ムダな公共事業」を行い、さらには原発までODAを利用して輸出しようとしているのです。
 「国益」のための「援助」、住民泣かせの「援助」はやめさせましょう。ぜひ、裁判にご支援お願いします。



(ダムの呼称について)

 インドネシア・スマトラ島の住民・自治体・マスコミは『コトパンジャン(Kotopanjang)』と言います。 
 一方、日本政府・インドネシア政府は本件ダムを『コタパンジャン(Kotapanjang)』としています。
 Kotoは地元ミナンカバウ語、Kotaはジャワ語でいずれも「町」を意味します。現地の言葉・文化を尊重する立場から、私達は『コトパンジャン・ダム』としています。